世界中のどこを探しても食事を摂らない人はいません。
とても当たり前な記述かも知れませんが、体温を一定に保つためにも、脳が機能するためにも、呼吸をするにも、心臓を含めて体のあらゆるところを動かすにはエネルギーが必要です。 エネルギーが無ければヒトやヒト以外の動物、植物、細菌類すべての生命活動は止まってしまう訳ですが、少しだけ中学生の頃に戻り、理科の授業のおさらいを致します。

例えば植物は葉緑体の中で、水(H2O)を酸素(O)と水素(H)に分解、葉の気孔から得た二酸化炭素(CO2)を炭素(C)と酸素(O)に分解します。そして、水素、酸素、炭素でグルコース(C6H12O6)やショ糖(C12H22O11)を合成して、余分な酸素(O2)を大気中に放出します。それらを葉や茎の師管を使って巡らせ、ATPに再合成して、成長エネルギーに変えています。

反対にヒトは植物とは異なり、二酸化炭素や水や日光だけでエネルギーを生み出すことが出来ない為、植物から作られたこれらの栄養素や肉、魚などを食べて「血糖」に分解し、下記のようなイメージでエネルギー物質ATPが生み出されます。

ATPエネルギーが出来るプロセス

  1. 炭水化物、タンパク質、脂質が消化器官を経て、様々に分解・生成されます。
  2. 小腸から血管(血液)を通じて、最大時(25歳がピークと言われています)60兆個ある細胞に運ばれます。
  3. 細胞内のミトコンドリアで、それらをアセチルCoAに変化させます。
  4. アセチルCoAはミトコンドリア内のクエン酸サイクルに取り込まれ、それぞれの酵素分解がなされつつ、H2OやCO2で放出されて行きます。
  5. 電子は電子伝達系酵素(NAD)に受け渡され、水素と結びつき、水素イオンを放出します。その水素イオンをATP合成酵素が移動させるときに発生するエネルギーと、既に合成されているADP(アデノシン二リン酸)が結びつき、ATP(アデノシン三リン酸)が作られます。
  6. ATPがリン酸を一つでも切り離そうとするとき、膨大なエネルギーが発生することから、これを「ATPエネルギー」と定義しており、その際発生する熱エネルギーが私たちの体温でもあるわけです。

このような仕組みを見ると、日頃の食事や正しい生活習慣がいかに大切で、健康のための選択も重要なファクターであることがわかります。